nobodyの日記

2006-09-25今日の多義性

歩くビートルズ

「歩く」の多義性

日本語には「歩く~」という言い回しがある。「歩く六法全書」といえば法律の専門家、というように。今日はぼんやりとしていたら「歩く」の多義性を想っていた。そして、「歩く~」といっても意味合いは、褒め言葉にも貶し言葉にも、いろいろとなりそうだなあと思った。

たとえば「歩く本草綱目」といえば薬草に詳しい人のことを指しそうだけれど、「歩くマラソンランナー」となると、何だか過去にそうぜつなレースがあってひとびとのあいだにその記憶が共有されているとでもいったような、いわくありげな雰囲気がありそうだ。

そして、「歩くオフサイドトラップ」となると、ちょっと意味不明っぽくもあるがどちらかというと貶し文句のようでもある。サッカーチームでディフェンスラインを統率する人物に対して「あなたの判断や動作は遅いのだ(走れ走れ!)。あぶなっかしくて見てられないからオフサイドトラップを試みようなんてしないでくれよ」などと言いたい感じとでもいおうか。

ときには対象物に多義性が生じることも。たとえば「歩くミシュラン」なんてどうだろう。語義は、あるいは食通。それも単なる食通というのではなく食い道楽で博識の一言居士。この場合の「歩くミシュラン」さんはおそらく人間だろう。別解としては、あるいはラバー製のタイヤ男。こちらは人間ではないかもしれない。

さて、人間でないといえば「歩くビートルズ」なんていう言いかたもありかもしれない。これは「~」の部分は人物群でありながら、その指す対象はなぜか人物ではなく、むしろ彼等の創作物となりそうな気もする。つまりはアルバム「アビイ・ロード」のことを思い浮べているのだが。この作品は20世紀を代表するポップスターの、事実上のラストアルバムであり、ビートルたちの最高傑作とも言われる一枚だ。

9月も最終週。日本も、いよいよ涼しくなってきて秋の気配が感じられる。芸術の秋と定めて音楽を聴くもよし、運動の秋とて公園など散歩するのもいいだろう。あなたも、文字通り「歩く人」になってみますか。それとも秋の夜長を、読書に耽って過しましょうか。さまざまなジャンルの本を読めばあなたも「歩く大英博物館」かも。(むた)

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